#17 神様 窓から射し込む光が、扉から出てきた人物を照らす。 ふと、苦しくなって、息をするのを忘れていたことに気付く。 目の前に現れたその人は、この世のものとは思えないほど綺麗な、西洋画に描かれた天使よりも崇高な――――そう、まさに神様のようだった。 美しいという言葉の意味を、衝撃とともに理解した。 きらきらと光る淡い金の髪。 白磁の肌。 恐ろしく整った造形。 色素の薄い全てのなかで唯一色を発する、透き通った緑の瞳。 ――神津島で聞いた、女神と同じ色だ 前頁 目次 次頁